初代川本桝吉 染付草花文花瓶 明治期瀬戸の名工 瀬戸焼 2024

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明治期瀬戸の美術陶磁の先駆者となった初代川本桝吉の染付花瓶を出品致します。緻密な白抜きの唐草文様と南画系の染付草花文様と明治期瀬戸の特色を遺憾無く発揮した優品です。特に、川本桝吉の作品の優れたところは素地の形と品質です。複雑な首長丸縁の器形にも関わらず、窯傷も歪みもない美しい磁体に仕上げています。川本桝吉は積極的に磁体だけの販売もしましたので、絵付けは森村組や田代商会などの他の業者が行った場合が多いのですが、染付は川本桝吉の工房で行われましたので、本作は純粋な川本桝吉の工房作品と言えます。初代桝吉は、加藤安左衛門の三男として生まれました。1857年(安政4)川本半助の婿養子となり、5代川本半助を襲名しました。その後、1862年(文久2)に分家して、初代川本桝吉を名乗りました。常に製磁の拡張と改良を図り、輸出磁器製作の先駆をなしました。1876年(明治九)青花磁の額面を製してパリ博覧会に出品したところ、その作がはなはだ巧妙でしたので、現地の陶業家がこれは磁器ではないと疑ったため、自らこれを破砕して、真偽を証したといいます。大出東皐などの優れた日本画家を工場に寄留させ、その磁器に絵付けさせるなどして、瀬戸の伝統的な染付技法の確立に貢献しました。内外博覧会での受賞は枚挙に暇がないほどです。さて、本作の寸法は、高さ31cm、幅18cmです。擦り傷もほぼない未使用に近い保存の良さです。凝った造りの器形も見事です。川本桝吉の優品が市場に出る機会は殆どありませんので、ご検討頂く良い機会と存じます。

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