日本のエレキギターブランドの代名詞「GRECO」。1971年、さまざまな困難を乗り越えて開発したレスポールモデルEG-360は、従来の「エレキギター」からの脱却に成功しました。その圧倒的な技術力は、オリジナルモデルだけにとどまらず、レストアモデルでも存分に発揮された。今回入荷したグレコの「r」部分に丸を付けた、ワッカロゴと呼ばれる初期のSGベースタイプです。おそらくG社のEB-3を意識したモデルだと思いますが、ビミョーに違うのは当然です。大胆にボルトオンネックジョイントや3WAYトグルスイッチを採用するなどコストダウンに苦労したと思いますが、その一方でピックアップのカウンターボアは非常に丁寧で、ミュート機構も搭載されています。ツッコミを入れたくなりますね。ちなみに、ミュート機構はちゃんと動きます。さて、気になる点があります。ボディに小傷や打痕、あちこちに小さな塗装剥がれがありますが、ネック裏はとても綺麗な状態です。金属パーツには摩耗や錆があります。ブリッジは経年による割れや変形があるようです。交換をご検討ください。ロッドは非常に硬いですが、締め付け方向に45度の残りがありました。ナット幅は約42mm、フレットは元々低く6割程度残っており、弦高は12フレットで1弦が約2.5mm、4弦が約3.5mmとやや高いです。各弦のバズ音が出る部分がある。スケールは約848mm。ヘッドが少し下がっているのが感じられます。ランバコアボディ、3ピースメイプルネック、ブラックローズウッド指板と当時の素材、フロントに4極のグランドピックアップ、リアに8極のハムバッキングピックアップを搭載しています。搭載していますが、G社サウンドとは明らかに違うジャパバンサウンドです。ジャック・ブルースというより、ジギー・スターダスト時代のトレバー・ボルダー風に、カッコよく派手に弾いていただけるとありがたいです。ピックアップのシリアルとトグルスイッチから1975年製を使用しました。貴重なブリッジカバーやハードシェルケース付属。ラウンドワイド弦に交換してあります。