2024 加藤紋右衛門 還情園 池紋 釉下彩染付上絵花鳥図大花瓶 明治 瀬戸焼 川本桝吉

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明治期瀬戸を代表する六代加藤紋右衛門の釉下彩染付上絵大型花瓶を出品致します。釉下彩は当時の最先端の技術であり、三代清風与平や真葛香山などの帝室技芸員のみならず、加藤友太郎・富永源六・松風嘉定・西浦圓治・香蘭社といった日本全国の錚々たる陶芸家や陶磁器会社がこの技術に取り組んでいます。しかし、周知の通り、釉下彩で使用される材料は夫々の色毎に最適となる焼成温度が異なるため、色数が増えれば増えるほど工程が長く煩雑になり、それに比例して失敗する確率、即ち歩留落ちが増える事になります。この仕損費を最小限に抑えるためには個々の製品の大きさを小さくする必要があります。このため、釉下彩作品の多くは、10cmから20cmの小品ばかりでした。この事を勘案すると、本作の寸法(高さ47cm)は極めて例外的な大きさです。従って、大きな釉下彩作品は展示会などを目的として少量だけが制作され、その殆どは美術館に収蔵されているのが現状です。本作の同意匠作品も瀬戸の博物館に収蔵展示されています。(添付写真参照)更に本作で特筆すべきは、釉下彩技法のみではなく、染付と上絵の技法も併用されていることです。この三つを併用した技術と言えば、清風与平の百花錦が想起されます。しかし、与平も技法の使い分けは色と対応させていました。青は染付、桃色は釉下彩、緑は上絵といった具合です。それに対して、本作の凄さは同じ色に異なった技法を使っていることです。写真を見るとある程度お分かり頂けますが、茎の緑は釉下彩、丸い葉の緑は上絵です。ピンクの花も釉下彩と上絵で描き分けることによって遠近感を出しています。また、加藤紋右衛門は58歳で早逝していますから、作品数もさほど多くありません。これらの事項を考慮すると、本出品作が如何に貴重であるかご理解頂けると思います。しかも、写真でご確認頂ける通り、保存状態が非常に良好です。ワレ、カケ、ヒビなどの瑕疵はなく、伝世品にありがちな擦り傷などもありません。尚、私の説明文と写真をそのまま盗用して、格安で販売しますという詐欺サイトが散見されます。呉々もご注意下さい。

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